アヤニシキ
2011/08/18
伊豆のダイビングで見られる海藻
撮影地:伊豆海洋公園
水深:7メートル ダイビングポイント:1の根
撮影日:2008年2月3日
アヤニシキは日本中部及び南部に分布します。生育場所は潮下帯で大きさ及び高さは5?20センチくらいになります。この海藻の名前も人名にちなんでつけられたそうです。日本では2種類が見られ、本種は水中で蛍光を発するため、青白く見えますが水から外に出してみると不思議なことに、赤茶色に見えます。岩の上よりもホンダワラ類など他の海藻や、ロープの上に生育することが多いです。からだの周辺部分には春から夏の成熟時期になると網目状となり、そこに粒状の蓑果という果胞子の入った袋状の生殖器官がつくられます。中央部分から扇状に広がった栄養体の部分と網目状の生殖部分との境がはっきりしていて造形的な姿をしています。標本にするととても綺麗な種でありますが、真水に長く浸けておくとオレンジ色などに変色してしまいます。他にも海藻はいろいろな種類がありますが、生育場所も水面近く及び波しぶきがかかる場所から、下は水深100メートル以上の海底までの広い範囲にわたっています。その間で、潮の満ち引きする潮間帯から低潮線直下までがもっとも種の多様性が高いです。太平洋沿岸では潮間帯は2メートルほどあり、その間を様々な種が一定の幅で帯状に分布しています。陸上で言えば標高2000メートルの山の頂きから麓までの植生の変化と同じような変化が、たった2メートルの間で観察できるのだから非常に凄いものです。