アオリイカ
2011/08/17
伊豆のダイビングで見られる生物
撮影地:富戸 ヨコバマ
撮影水深:15メートル
伊豆半島の海では毎年5月から8月頃までがアオリイカの産卵シーズンです。一般にアオリイカの産卵は、内湾の藻場で行われるが、IOP周辺の海では、このような環境が見られません。しかしIOPの海藻の根元やヤギなどにアオリイカが産卵していることもありましたが、そんなに多くはありません。富戸の海では、毎年春になると漁協がアオリイカの産卵床を多量に海中に設置しています。この人工的な産卵床の産卵状況は良好で、この成果として定置網やイカ釣り漁船などでのアオリイカの漁獲量は年々増えてきていました。数年前からIOPでもこれと同じような形式の産卵床を海中に設置した結果アオリイカの産卵がダイビングをしている日中の時間帯に観察できるようになりました。今では産卵床を設置することが毎年の恒例行事となりました。産卵にやってくるアオリイカは群れをつくります。最初にオスが危険がないかどうか偵察に来ます。問題ないことがわかるとペアになって産みにきます。多いときには20?30くらいの群れが産卵しにきます。ここではいろいろなドラマが展開されます。ペアを組んで産卵しに来たアオリイカに単独のオスが割り込んできて自分の子孫を残す為にメスを奪い、産卵したり、それを阻止しようとオス同士が喧嘩になっているスキをついてまた別のオスがメスを奪ったりと夢中になってみているうちに時間を忘れてしまうほどです。