トウシマコケギンポ
2011/08/17
伊豆のダイビングで見られる生物 トウシマコケギンポ
撮影地:伊豆海洋公園
水深:5メートル
撮影ポイント:おくりだしの入り江
撮影日:2010年4月7日
トウシマコケギンポはいつも個性豊かな表情でダイバーを楽しませてくれます。岩穴に身体を隠し、頭だけを出していつも周りをキョロキョロ見ているひょうきんものです。ですが身体の小さい割には気が強く指を近づけると思いっきり噛み付いてきます。こいつが岩穴から出て行くのは求愛のときだけです。なぜならば、うかつに出て行くとシャコなどの甲殻類がスキを見つけて入ってしまうからです。こうなったらその日の夕刻までに新しい岩穴を見つけないと非常に怖い夜の海が待っていますので、急いで新しい家を見つけないと命の危機に瀕するからです。でも求愛のときだけは身を乗り出して時には全身を出して頑張ります。春になり日差しも日々強くなり、海の中も陸上の変化に負けまいと海藻が茂りだし、水温も徐々に上がり始めます。この時期はあまり動き回らずに近場の海をじっくり観察すると面白いです。こんなときにもトウシマコケギンポは退屈しのぎになるいいお魚です。また近くには普段砂中に潜って生活しているウミウシの仲間や海藻にまぎれて多くのウミウシ達が見つかり始めますので、非常に楽しくダイビングをすることが出来ます。海藻に隠れてカニの幼生を見ることも頻繁にあります。トウシマコケギンポはいろいろな表情を魅せますので、被写体としては非常に絵になる生物です。